オートフォーカスが標準になるまで

今では信じられませんが、以前のカメラではフォーカスは全てマニュアルのみでした。

オートフォーカスの仕様と黎明期に関するお話です。


USM

もはや誰でも知っている?

Canonが世界で始めて商品化に成功したフォーカスリングを駆動させる小型モーターですね。

正式名称は、ウルトラソニックモーターです。

(世代的にソニックと聞くとセガのゲームキャラクターが頭に浮かびます)

その後も動画撮影のために、オートフォーカスでピントを合わせ続けられるように改良を重ね

今ではナノUSMというものまで現れました。


SWM

Nikonは(サイレントウェーブモーター=超音波モーター)という独自に開発したモーターを使っています。

下に記載の通りNikonはボディ内駆動の時代があったのでCanonよりも後発です。


両社には、他にもSTM(ステッピングモーター)というものもあるようですが

あまり馴染みのない小型レンズに搭載されているのでよく解りません。


これらのモーターはレンズ内に入っていますので、レンズ内駆動と呼びます。

Canonは以前からレンズ内駆動でしたが、昔のNikonはボディ内駆動でした。


ボディに搭載されたモーターで、レンズのフォーカスリングを駆動させるのです。

イメージは、カメラ側からマイナスドライバーが出ていて、レンズにあるマイナスネジの頭部分にはまり

ぐるぐると回転するとフォーカスリングが回る構造です。

当時から、結構強引な方法だと思いましたがオートフォーカスの黎明期には色々な方式がありました。


マニュアルフォーカスしか存在しなかった時代に、オートフォーカスを見据えてマウントを変更すれば

ボディとレンズは全て買い直さなければならず、メーカーとしても決め切れずにいました。


そんな時に異彩を放ったマニア絶賛、Contaxの「AX」という機種があります。

フィルム一眼レフカメラですが、私の友人が使っていました。

これは、全てのマニュアル用レンズをオートフォーカスに変えてしまう魔法の様なカメラでした。


その構造はABF(オートマチック・バックフォーカス)という方法です。

つまり、カメラ内部でフィルムを前後に移動させてピントを合わせます。

感の良い方なら解ると思いますが、移動させる分カメラボディが分厚くなってました。

(多分、当時のカメラと比べても1cmぐらい太かったです)


個人的には大好きでしたが、レンズを外した時の見た目から別名「弁当箱」と呼ばれていました。

悲願の名機は、中古市場でも殆ど見かけなくなりました。

見つけた時は「即買い」・・・いや責任は持てませんので、自己責任でお願いします。